POP-UPを開催するなど、NUBIANと親交の深いブランドやデザイナーのバックボーンやこれからを紐解くスペシャルインタビュー企画。
第二弾は、"NO/FAITH STUDIOS"のデザイナー
Luis Dobbelgarten (ルイス ドベルガルテン)が登場。
ー 自己紹介とチーム内のポジションを教えてもらえますか?
Luis(以下Lu):Luis Dobbelgarten(ルイス ドベルガルテン)。NO/FAITH STUDIOUSのオーナー・ファウンダーだよ。ブランドのメインデザイナーで、16歳の時からやってるよ。
Moritz(以下Mo): Moritz(モリス)。僕もデザイナー。Luisとビジョンを持って一緒にブランドをやり始めた。彼がブランドのヘッドだけど、全部みんなで一緒にやってる。
Leon(以下Le):Leon(レオン)。Luisの兄で、NO/FAITHのディレクターとデータ管理をやってる。
ー 日本に来るのは初めてですよね。どうですか??
Lu:いやすごいよ。初日本、初東京。カルチャーと食べ物も最高だし、みんな優しい。東京ってこんなにいいと思わなかった。どこ行ってもすごいし、もうこの街が大好き。
Le:そう、東京のみんなすごい優しい。NUBIANのみんなが優しくしてくれて、二日間いろんなものが見れて、すごくありがたい。みんなと友達になってブランドとしてこういうこともできて最高だね。
ー ブランド名のビハインドストーリー教えてください。
Lu:大したストーリーはないんだけど、僕が16歳ぐらいの時友達と電話してて、NO/FAITH STUDIOSって名前いいねってなって、特に意味は考えてなかった。むしろ意味がないからみんなNO/FAITHに自分それぞれの意味を作れるのがいいと思ってる。
ー ドイツのどこ出身ですか?あと、ドイツのファッションについても教えてください。ドイツのファッションとNO/FAITH STUDIOSの共通点があれば。
Lu:僕はドイツのKommern(コマーン)っていうすごく小さな町で生まれたよ。500-600人ぐらい住んでいるかな。一番近くて大きい街はCologne(ケルン)だね。スタジオから1時間ぐらいかかる。僕はコンクリート張りの昔からある工場みたいなとこに住んでて、スタジオもそこ。そしてパリでMoritzに会って、"えー俺20分ぐらい距離のこと住んでるよ。一緒になんかやろうよ。"ってなって。それで一年前ぐらい、彼がスタジオに遊びにきて、仲良くなって一緒にスイスに旅行で二週間ぐらい行ってて、その時すごく仲良くなったね。
Mo:そう、その旅行ですごい仲良くなったね。
ー 16歳の時にNO FAITH STUDIOSを始めたとのことですが、10代の時のライフスタイルを教えてください。そしてなぜ服を作ることを始めたんですか?
Lu:僕の趣味はスケートパークに行ったり、スケートキャンプに行くことだった。Cologneを含めいろんな場所のパークに行ってたね。2014年、僕が14歳の時行ったスケートキャンプで、シャツにシルクプリントを初めてやったんだ。その後家に帰ってきて、持ってJORDAN 4を売って、シルクプリントマシーンを買ったね。 それから自分のシャツを作り始めたんだ。その時作ったシャツは全然ダメだったけど。。でもすごかったのは、それを学校で売ってお昼ご飯食べるお金を稼いで、ずっとお金をためてたら、2016年にNO/FAITH STUDIOSをちゃんとしたブランドとしてやるのと、お店を開くこともできたよ。それでオーダーが入るようになって。最初は学校でシャツ何枚か売る程度だったけど、気づいたら生産ができるぐらいのお金が貯まってね。ここまで全部僕のインスピレーションできたと思う。スケボーもその一つ。NO/FAITHはスケボーアパレルブランドではないが、僕のインスピレーションにはなってるね。
ー NUBIANでのNO/FAITH STUDIOSの展開は今年で3年目です。この数年間NO/FAITHの全世界からの人気がすごくなりましたね。今の状況をどう思ってますか?コレクションが変わっていくことに対して大事なポイントはなんだったんですか?
Lu:まず、NUBIANにすごく感謝してる。ブランドに対する愛情を見せてくれて。何年か前まではドイツでもNO/FAITH STUDIOSを知らない人が多かったのに、今は日本から直接このデニムをオーダーしたいという連絡があって夢みたいに嬉しいんだ。日本でこんなにブランドに対する愛を感じれることが、ヨーロッパでも感じれなかったから、12時間飛行機乗って日本に来て実際みんなに会ってこのすごいポップアップが見れてやばいよ。きっかけは、フレアデニムだと思う。それがインスタでバズって、Louis Mackとやったキャンペーンがみんなにリポストされて、本人からもSHOUT OUTされて。いつもフォトグラファーとして僕のことをサポートしてくれるんだけど、今は大切な友達でもある。まあ、僕らそこまで有名じゃないけど、SNSでバズったのはフレアデニムをリリースしたコレクション。 それがMoritzとLeonとチームでやった初めてのコレクションだからもっと嬉しい。兄貴は今年の頭からディレクターの仕事を始めたから、2年前までは僕一人で全部やってたよ。
ー 数年間ですごい変化ですね。
Lu:そう、しかも少ない人数だしね。他の人たちは多分NO/FAITHがでかいブランドで、スタッフもたくさんいると思うかもしれないけど、本当に僕と兄貴と親友でやってる。家族がフォトグラファーやモデルになってくれたり。僕の友達もほぼ全員NO/FAITHのモデルをやったことがあるから、家族経営とも言えるね。みんなそれを知ってるのもいいね。
ー 今回のコレクション名『Raum』のビハインドストーリーやインスピレーション源を教えてください。
Lu:『Raum』はドイツ語で部屋。古い工場みたいなとこに住んでて、僕の部屋が233号室なんだよ。それがこのコレクション名のビハインドストーリー。小さなアトリエでみんなでデザインして、全ての作業がその部屋で行われて、小さなテーブルでみんなで頑張ってやってたから、その部屋の番号を使いたかったんだ。パターンを作ることと、デザインに関して、プロな人は誰もいなくて、僕らは本当に自分たちで練習してできるようになったね。233は僕が全てのことをやる場所。
ー さっき話していたパターンやディーテール、使ってる素材と独特なデニムのウォッシュはNO/FAITHのオリジナルスタイルになりました。パターン作りが本当すごいです。全部チームで作ったんですか?Luisがやったのなら、どうやってパターン作りを学んだんですか?
Lu:僕はメインのパターン作りはやってなくて、僕一人かMoritzと二人で計測はやってる。素材は、僕らがイタリアのナポリまで行って、自分たちで選んだものを全部壊して、もっと汚くてワイルドな感じを出した。彼らがレザーを作るプロセスも見て、なんか紙みたいなレザーを作ったら面白そうだなと思って、イタリアの彼らのことを思い出して一緒に作ったんだ。RSVPにいた時多くのインスピレーションを受けてたよ。
Mo:ナポリまで飛ぶのはすごく大事だった。特にレザーは実際触ってみないとわからないし。NO/FAITHの素材はこだわりを持って作りたいから。
Lu:そうだね。デニムのウォッシュもね。例えば次のコレクションにダーティーなホワイトが多いんだけど、その表現をするためにデニムにコーヒーを大量にかけたんだ。本当汚い物はかけたくはないから、コーヒーで。それで練習してあのウォッシュを表現できたんだ。
Mo:結構頑張ったよね (笑)
Lu:そう。僕らが持ってるものでいろんなことを試した。僕らの街にはデニム工場とかもないから。それでデニムを引きずって高速道路を走ってどれぐらい汚くなるとかを実験したりもしたね。
Mo:そう。僕らにはナチュラルな素材に見えるのが大事だから。全てのウォッシュを自然に見せたいんだ。ドイツの他のブランドだとすごいフェイクに見える、不自然な加工をやるんだけど、僕らは本当に時間が経ったような加工を見せたいんだ。わかるかな、30年経ってるような。
Lu:これがデニムを作るまで一番大変なところだったね。普通工場に行って、USED DENIM作りたいって言うと、ちゃんと説明しないとどんな感じで作るのかわかる。だってみんなUSED DENIMを作りたいから。でも僕は完璧なWASH DENIMを作りたいから。それは思う程簡単じゃないよ。
ー きりがないですよね。。一番大変だったのはなんですか?生産のプロセスの中で問題があったりとか。
Lu:最初にこういうクレイジーなものを作れる業者を探すのが大変だったね。数は少ないのに、ポケットは100個ついてたり、色々なところにファスナーがついてたりするから。だから業者としてはやりたくないんだ。もっと数多くてシンプルなデザインのやつ作った方が楽だし、お金になるからね。だから相性がいい生産チームを見つけるのが問題だったね。でも、今イタリアで新しいもの作ろうともしてるんだ。生産時期が外れたりするけど。でも僕とMoritzは23歳で、まだ若いから、こういうのを重ねて次の段階にいくしかないと思っているよ。
ー NO/FAITHをやってて一番記憶に残ることはなんですか?
Lu:多分フレアデニムのキャンペーンルックを作った時かな。その時NO/FAITHが一個上のレベルになった。SNSに上がったルックも、10人ぐらいでたくさんのフレアデニムを持ってパリに行った。
それでパリでサンプルがちょっと間違ってるのを気づいたんだ。でももうパリに来てるし、デニムもこんなにあっていいフォトグラファーもいる。それで男12人ぐらい集めて、本当小さい屋上で撮ってたんだけど。結果がすごく良くて、一番記憶に残ってるかな。これ以外にも、Moritzと一緒にスタイリングして撮ったLOOKBOOKとかは全部忘れられないね。ある日撮影終わって、Moritzと"おい、、俺らすごくね?”って話したことがあって、それもすごく記憶に残ってるよ。
ー ブランドを続けて一番大事にしていることはなんですか?
Lu:大事だと思うのは強いコミュニティーを作ること。コミュニティーが全てだからね。ヨーロッパだけではなく、今ヨーロッパだと、ミューヘンかパリか地元のケルンでポップアップやるたび、成長してくのが見えるから、他の場所でもコミュニティーを作りたいね。こうして東京で既に僕らのデニムを買いに来てくれる人々を見て、もっと強いコミュニティーを作って次来た時はもっとでかくてやばいものをやりたいと思ってるんだ。今はプロセスの途中だな。今東京で起きてるムーブメントはストーリーの始まりだね。
ー あなたの目標とブランドとして5年後どんなブランドになっていると思うのか教えてください。
Lu:僕の目標はブランドとしてはランウェイもやりたいけど、友達とチームみんなで成長していくのも大事。でも大きい目標は、パリでショーをやることだね。うん。
ー 日本でのポップアップはどう思いましたか?
Lu:すごいよ。まずチャンスをくれたNUBIANにすごく感謝してるよ。僕とMoritz、Leon、Lucaを日本まで呼んでくれたのもすごく嬉しい。このポップアップのために頑張ったから達成感も感じたよ。そしてこんなにもすごい場所。最初NUBIANの店舗写真見た時、え?ここでポップアップできるの?ドイツにはこんな店ないよって思ったんだ。こんなすごい店でポップアップできたのも嬉しいけど、今日会ったみんなもすごい優しい。今日初日だけどもうこんなたくさんの人が来てくれて、買ってくれて、嬉しいよ。もちろん買ってくれるのも嬉しいけど、直接僕に"あなたが作るものは本当すごいよ"とか言ってくれて、愛を見せてくれて幸せだよ。別に買わなくても、ここにきて、いい時間を過ごしてくれたら嬉しい。それが僕の求めているものだよ。
ー 最後に、日本のファンたちへのメッセージお願いします。