Exclusive Interview<br>with Chaz Jordan<br>from "1989 STUDIO"

Exclusive Interview
with Chaz Jordan
from "1989 STUDIO"

POP-UPを開催するなど、NUBIANと親交の深いブランドやデザイナーのバックボーンやこれからを紐解くスペシャルインタビュー企画。

第一弾は、"1989 STUDIO"のデザイナー
Chaz Jordan (チャズ ジョーダン)が登場。


ー 日本に来たことは何回ありますか?日本が好きですか?

日本は4-5回ぐらいかな。来るたびに新しい人たちに出会って、どんどん楽しくなってるね。
最初来た時は観光客だったから、今回日本に戻ってきてこういうインスタレーションができてとても嬉しく思っているよ。


ー 1989 STUDIOというブランド名の由来はなんですか?

生まれた年だよ。僕は1989年の71日に生まれたんだ。
多分一番ベストな年だね。

ー 今回のコレクションはオールブラックですよね。
このコレクションのインスピレーションや伝えたいメッセージなどありますか?

オールブラックにしたのは2013年パリに住んでた頃の思い出から決めたよ。あの頃すごく流行っていたからね。真っ黒のレザーパンツ、黒のレザースニーカー、今日の僕みたいにね。2013年のことを考えて作ったよ。
メッセージはパリはいつも上品で、ファッション、特にデザイナーブランドに関して世界観が強い。僕にとってのそれが今オールブラックなんだ。

ー 今年の1月にランウェイショーを発表しましたが、
ショーではどんな気持ちでしたか?
コレクションを完成するまで大変なことなどありました?

ショーは、言葉にするのが難しいけどこのブランドとしては初めての試みだったし、最初であのスケール、しかもパリでできるっていうのがこの仕事を始めた時にいた場所だからすごく特別だったね。コレクションのテーマにもパリが入っているしね。
すごく嬉しかったからその分ミスがないようにずっと集中していたね。そしてコレクションをチームで築き上げたよ。
コレクションってスムーズに行かないのが当たり前だけどね。もしコレクションがスムーズにいってるって言うデザイナーがいたら、絶対嘘つきだから信用しちゃだめだよ (笑)


ー ここで表現したディスプレイのインスピレーションは
日本の伝統的な庭園の枯山水です。ローンチイベントに向けて
このディスプレイを考えたのはなぜですか?実際見て満足してますか?

インスピレーションに対してはNUBIANに感謝してるよ。テーマはパリで見たのをどうやって日本で再現するのかだったよ。
僕の中で日本だと砂と石、多分前に日本の庭園を見たからだと思うけど。一回NUBIANのスペースを確認して、理解した上で作ったからそんなに難しくはなかったよ。
実際見て思うのは、もし周りにビルがなくて木だけだったら、、でも、本当に満足しているよ。

Chaz Jordan - NUBIAN
ー Au Courant Paris / Ih Nom Uh Nitそして今1989 STUDIOを展開してますが、全ブランドを始めたストーリーを教えてください。

一番最初のブランド (Au Courant Paris)はだいぶ前だね、僕がまだ大学生の時。始めた時からビジョンははっきりしてたよ。パリによく行ってたからその影響で、すごいアバンギャルドな感じ。その時流行ってたスタイルでRICK OWENS、DAMIR DOMAみたいなムード。そして、表現の仕方とかビジュアルがあの時の時代とはバッチリな感じで、うまくやってたなと思うよ。今あの時使ってた素材を使っても、かっこよくなっているよ。でも、まだ新人だったから様々な失敗を重ね、やり直しと勉強に集中する時期だった。
二番目のブランド (Ih Nom Uh Nit)は、その時モノトーンから脱出したかったんだ。だってモノトーンはRICK OWENSが代表格だしね。僕はもっとカラフルな色を取り入れてやるしかないと思ったんだ。もっとお客さんの幅を広げたくて始めたのがIh Nom Uh Nit。
なんか思いつくと、とりあえずやってみてダメだったら違うことをやってみる。でもリスクを取ることはできなかったねあのブランドでは。
僕は、成功するブランドは必ずリスク管理ができているからだと思うよ。1989は今まで学んだことを修正、改善して、僕の経験を繋いだブランドだよ。

 
ー 元々RSVP GALLERYでVirgilとDon Cと一緒に働いてましたよね。
なぜそこで働いていたのですか?その二人との関係性も教えてください。

人生初めてのビジネスは高校生の時に始めた。それで欲しいものは大体買えたね。それで普通にお客さんとして行ってたよ。ある日Virgilがいて、お互いにファッションチェックしたんだ。もちろん僕は彼のことをTumblrで見て知っててお互いのスタイルをリスペクトする感じがあったね。その会話で僕らはすごく仲良くなったよ。
その後、Virgilがダウンタウンでやるシークレットパーティーに僕を呼んでくれた。まだ21歳じゃなかったから入れなくて彼がスタッフに話してくれて問題なく入れたね。 数日後にチームから連絡がきて、一緒にやってみないかという提案が来たんだ。迷うことなく決めてチームに入ったよ。今もすごく仲良いDonともそこで知り合ったよ。


ー 自分のキャリアに彼らからインスピレーションを受けてますか?

もちろんだよ。Virgilは本当にブループリント(未来のための計画を立てること)そのままだね。頑張れば、チャンピオンのTシャツを着る生活からNUBIANでインスタレーションをすることもできる。なので彼のキャリアと今までやってきたことを見るとすごいインスピレーションになるよ。Donは、リスペクトに近いね。あんなすごい人になってても、初めて会った日となにも変わらない性格が(いい意味で)すごい。本当の兄弟みたいなリスペクトとラブだね。


ー Kanye Westとの関係も教えてもらえますか?
彼からインスピレーションを受けたこともありますか?

RSVPにいた時多くのインスピレーションを受けてたよ。
面白いことがあって、MICHIGAN AVENUEのLVでみんな同じ店員、スタイリストがいたんだ。メッセージで新作の写真を全部送ってくるんだ。お店に行くと彼女は全てのラインアップを見せくれ、僕好きな色のマイサイズを選んでキープしてもらったんだ。ちなみにこれは大学時生の時だから、当時はすごい人になった気分だったよ (笑)
でもその時忙しくてキャンセルしちゃっていいと伝え行かなかったんだ。これが人生最大のミスだよ。お店に行った時には全部売り切れてた。しかも一番びっくりしたのは、値段が800ドルだったのに買おうとしたら6000ドルはしたんじゃないかな。その時、ヒップホップカルチャーがラグジュアリーファッションが交わったと人生で初めて思ったね。自分の考え方が変わったターニングポイントだね。
Kanyeとの関係は、初めて会ったのはRSVP。多分それの写真がネットのどっかにあると思うよ。最初にギフトした物ははスウェットシャツだったね。Kanyeが店に来るのは僕ら以外は誰も知らなかった。真っ黒な格好でね。僕は彼へのギフトを用意してたいたんだ。彼に渡して、写真を撮って、VirgilやDon、クルーのみんなにも連絡して。それがKanyeとの始まりだよ。 その前に、シカゴで卒業パーティーに行った時がKanyeと会った時かな。その時は話せなかったけど。でも僕のCDにサインしてくれて。それは今も持ってるよ。今考えるとそっちの方がやばいかもね。もちろん僕のことは知らないけどね。その後、彼にまた会ったのがRSVPだね。

最近、KanyeがローマでTravis ScottとJESUSのステージをやった時に1989のジュエリーをつけてくれたよ。彼がステージに上がるの自体がすごく久々だったから、それでブランドがめっちゃめっちゃ注目されたね。いつも感謝しているよ。今月イタリアでコンサートがあるから、そこでまた会えるといいなと思ってるよ。


ー 新しいものを作るとき何に一番集中しますか?
ビジネスとクリエイティブどちらの面を考えますか?

ビジネスのことは全く考えないよ。
トレンドとか次何が流行るのとかも。もっと、小さなアイデアの種をコレクションとかテーマに当てはめて育てる感じかな。普段インスピレーションは、映画、曲、アートから。そこからストーリーを作ることが多いよ。僕は常にクリエイティブで、ビジネスよりはインスピレーションを受ける方。 ブランドにとっては、すごく大事なことだと思うよ。
クリエイティブな面を失うと、終わりだね。


ー 5年後のブランドはどうなっていると思いますか?

5年、いい質問だね。多分、僕らのテリトリーの中でメインなブランドになってるんじゃないかなと。JACQUEMUSのように。今の継続力を持てば、5年後に辿り着けると思うよ。ランウェイ、買収、ちゃんとしたシステムのことを考えると今回が一回目。これから三回目のコレクション(AW24)をやるので。この継続力で5年だったらいけると思うよ。

ー 次のコレクション(SS24)について少しだけ教えてください。

Rolls Royceのマネージャーの人の記事を読んで、表に出さないFlex。それが僕の中で響いたんだ。僕もそういう感じでブランド始めたので。シンプルで、無駄なものはなくね。今回グラフィックや、派手なことをたくさんやってたから、ベーシックに戻ろうってなってます今は。 様々なお店に会って、試して、今作れるベストなコレクションは何か。そういう根本的な理論を考えてます。
服を実際見てほんとに驚いたよ、今回と次のシーズンは昼と夜みたいに全く違う。工場も新たになったし楽しみにしてて欲しいね。新しいスニーカーも出すので、ブランドにとってすごく新鮮なコレクションになるよ。


ー 最後に日本のファンの方々にメッセージをお願いします。

昨日クロムハーツに行って、店を出る時僕のインスタを開いて”あなたですか?”と言ったんだ。それでみんな出てきて握手を求められた。
そこが僕が好きな日本の文化。日本人は偉い人でも、みんな謙虚で優しい。そしてすごく本心を感じるんだ。僕らも何もないところから初め、ここまできたんだから、僕らに対するエネルギーとリスペクトがすごい嬉しいよ。これが僕からのメッセージかな。何が言いたいかというと歓迎してくれてありがとう!ってことだよ。また来るのが楽しみだよ。今はもう僕の居場所がある。NUBIANのみんながいて、友達もいる。みんなのおかげでまた日本に行きたいと思ってる。ロサンゼルスからも近いし。また会いましょう!

 

1989
コレクションページはこちら

Chaz Jordan - NUBIAN

- 1989 STUDIO -

Chaz.A.Jordanによって新たに設立された米ロサンゼルス発の
ファッションブランド。
ファッション業界の新しいデザイナーの
波の中で経験豊かで洗練されたアプローチを復元すると同時に、
包括的かつアクセスしやすい基本的価値を実証することを目的としている。
デザイナーのシカゴでの生い立ち、
そしてパリでの経験からインスピレーションを引き出しています。


- Chaz Jordan (チャズ ジョーダン) -

アメリカ生まれのデザイナーであり2011年にキャリアをスタート。
ファッション業界を牽引しているVirgil AblohとDon Cと
RSVPギャラリーで共に働いた。
22歳の時、彼はパリに移住し初めてのブランド
「Au Courant」を立ち上げました。
24歳には、Au Courantをセカンドレーべルになる「Ih Nom Uh Nit」
に変更。その後間もなく、Ih Nom Uh Nitは著名人とポップカルチャーの
センセーションを巻き起こし、2021年に「1989 STUDIO」がデビュー。
2022年FFグループの買収を発表した。